「住宅の間取り図を見るのが好きでした。」所敦子 物語 その1
所敦子 物語 その1
新聞と一緒に折込チラシが入ってくると、住宅のチラシを選り抜いてそれを隅々まで眺めるのが好きでした。
戸建て住宅でもマンションでも間取り図、つまり平面図を見るのが好きでした。
小学校低学年の頃からです。
玄関から入って、ホールを通って、キッチン、ダイニング、リビング2階への階段に上がって、、、と妄想を繰り広げていました。
親戚や友達の家に遊びに行くとそのお家の間取りが気になり、それぞれの家の間取りは今でも記憶しています。
そして家具や、ファブリック(カーテン、カバー、クッションなど)に興味が増したのが小学校5年生の時です。
東久留米から所沢に引っ越すことになり、初めて個室を与えられると知った時の嬉しさは格別なものでした。
平面図を見て、ベットはここ、机はここと頭の中で思いを巡らせ新しい家具はどんな机にしようかと期待でわくわくしていました。
ところが、、、
私の部屋にはそれまで使っていた姉のお下がりの机、弟と使っていた2段を切り離したシールがベタベタ貼られれたベッド、
やはりもともと使っていたカラーボックスがそのまま運ばれることとなりました。
母が買ってくれた小さなチェストがたったひとつの新しい家具でした。
がっかり・・・。
でも、母は私に楽しみを用意してくれていました。カーテンの生地選びです。
引き違い窓のカーテンは私が初めて自分で選んだファブリックでした。
私が選んだのはベージュの地に赤、茶、深緑の草花の生地でした。
そして母の言葉を今でもはっきりと覚えています。「あら、さすが将来のコーディネーターね。」と。
そして私はベタベタと貼ったシールを隠すために、ベットの両サイドに床のカーペットと同系色のシートを貼ったり、ベットカバーとクッションを手作りしたり、模様替えを繰り返して
5.4畳の小さなマイルームでの暮らしを楽しんでいました。
こちらが唯一母が用意してくれたミニチェスト。今も寝室で使っています。